SSブログ

蛾の調査の必要性 [チョウ・ガ]

20110411-01.jpg
2011-03-31の記事最後のヤママユの繭を持ち帰っていました。汚れていた繭を少しずつ剥いでいくと、実に美しい淡くて光沢のあるグリーンが現れました。ヤママユから作られる絹(天蚕糸:テンサンシ)は、カイコから作られる絹より軽く肌触りがよく丈夫なうえ保湿性に優れる高級品なんだとか。納得です。繭を割ってみると中からシワクチャになった蛹が出てきました。なぜ羽化に至らなかったのかはよく分かりませんでした。

20110411-02.jpg
クリの樹にウスタビガの繭がぶら下がっていました。よく見ると卵がついていました。この繭の主はメスで、羽化直後にオスに見つかり、その場で交尾、すぐ繭に産卵したと想像できます。

20110411-03.jpg
ヤマトカギバ Nordstromia japonica

マクロレンズをつけて地面に這いつくばっていたら、ある方に話しかけられました。その方はなんと50年も昆虫の写真を撮り続けている昆虫研究家とのことでした。何冊か本も出版されている方で、私もその本を見たことがあったので驚きました。

20110411-04.jpg
クロクモエダシャク Apocleora rimosa の弱齢幼虫。ヒノキの葉にいる見事な擬態のシャクトリムシです。

その方曰く・・・昆虫は調べられていないことがあまりに多く分からないことだらけなので調べ甲斐がある。チョウをやっている人は多いので、蛾を調査する必要性が高い。・・・とのこと。

20110411-05.jpg
こちらも見事な擬態のシロテンエダシャク Cleora leucophaea

蛾は種類が多い上に夜行性であることが多いので、生態、生活環、食草等、分かっている種類の方が少ないです。もしかするとまだ発見すらされていない蛾がいるかもしれないし、もしかすると発見前に環境が変化して絶滅してしまった種類もいるかもしれません。トンボをメインに追いかけている人でも、蛾の写真を撮りためておく事で何か重要な発見に結びつくことがあるかもしれません。まぁ撮るだけじゃダメでキチンと検証することが必要ですが。

20110411-06.jpg
また深夜に森に入りまして、カシワキボシキリガ Lithophane pruinosa に出会いました。秋にも会いましたね。ややスレているので成虫で越冬しているようです。

珍しく三脚でカメラを固定して、広角レンズで長時間露光で撮りました。でもなかなか思い通りには撮れませんね。イメージではもっと背景を入れて、逆光気味で撮りたかったんだけど。広角での逆光は光源が画面に入ってしまうのでダメでした。そりゃそうだ。
nice!(5)  コメント(4) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 5

コメント 4

なまけもの

どうみてもヒノキの葉^^;
この写真の中にうつってるとわかっててさがすからみつかりますが
フィールドでは擬態を見抜けない・・・

by なまけもの (2011-04-11 22:09) 

akanenosora

蝶と違い地味な蛾は撮るのが難しいのでしょうね。
jan-ll8さまの撮影技をもっても蝶と違って地味な蛾は撮るのが
しかも擬態で夜ですからね。

by akanenosora (2011-04-12 13:35) 

jan-ll8

なまけものさん
すごいでしょ。この擬態はホント見事です。
by jan-ll8 (2011-04-13 21:44) 

jan-ll8

akanenosoraさん
チョウも難しいですけどね。蛾は寝不足になるのも難点です。
by jan-ll8 (2011-04-13 21:44) 

マクロでツグミ!ご近所散策 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。