ナウシカ [蟲君諸諸]
まだ4月だというのに起きてしまったオオクワガタのウルリッヒ号。もう羽化して3年になろうとしていますが、まだまだ元気そうです。メスのガービー号を攻撃するので別居状態が続いています。でもガービー号はガービー号で新たなパートナーのビランク号を食べてしまった実績があります。とても同居させられないよ。
この角度から見るとナウシカに出てくるヘビケラのよう・・・。
んっ?ナウシカ!?
あぁ懐かしいナウシカ・・・そういえばあの最終巻は圧巻でした。
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なぜ真実を語らない!! 汚染した大地と生物をすべてとりかえる計画なのだと!! お前は亡ぼす予定の者達をあくまであざむくつもりか!! お前が知と技をいくらかかえていても世界をとりかえる朝には結局ドレイの手がいるからか!! 私達の身体が人工で作り変えられていても私達の生命は私達のものだ!! 生命は生命の力で生きている!! その朝が来るなら私たちはその朝にむかって生きよう!! 私達は血を吐きつつくり返しくり返しその朝をこえて飛ぶ鳥だ!! 生きることは変わることだ!! 王蟲も粘菌も草木も人間も変わっていくだろう。腐海も共に生きるだろう。だがお前は変われない!! 組みこまれた予定があるだけだ。死を否定しているから・・・・・・。真実を語れっ!! 私達はお前を必要としない!!
・・・・・・・・・どの真実をだね?あの時代どれほどの憎悪と絶望が世界をみたしていたかを想像したことがあるかな?数百億の人間が生き残るためにどんなことでもする世界だ。有毒の大気、凶暴な太陽光、枯渇した大地、次々と生まれる新しい病気、おびただしい死。ありとあらゆる宗教、ありとあらゆる正義、ありとあらゆる利害、調停のために神まで造ってしまった。とるべき道はいくつもなかったのだよ。時間がなかった私達はすべてを未来にたくすことにした・・・・・・。これは旧世界のための墓標であり同時に新しい世界への希望なのだ。清浄な世界が回復したとき汚染に適応した人間を元にもどす技術もここに記されてある。交代はゆるやかに行われるはずだ。永い浄化の時はすぎ去り、人類はおだやかな種族として新たな世界の一部となるだろう。私達の知性も技術も役目をおえて、人間にもっとも大切なものは音楽と詩になろう。
神というわけだ。お前は千年の昔、沢山つくられた神の中の一つなんだ。そして千年の間に肉腫と汚物だらけになってしまった。絶望の時代に理想と使命感からお前がつくられたことは疑わない。その人達はなぜ気づかなかったのだろう。清浄と汚濁こそ生命だということに。苦しみや悲劇やおろかさは清浄な世界でもなくなりはしない。それは人間の一部だから・・・・・・。だからこそ苦境にあっても喜びやかがやきもまたあるのに。あわれなヒドラ。お前だっていきものなのに。浄化の神としてつくられたために生きるとは何か知ることもなく最もみにくい者になってしまった。
お前にはみだらな闇のにおいがする。多少の問題の発生は予測の内にある。わたしは暗黒の中の唯一残された光だ。娘よ、お前は再生への努力を放棄して人類を亡びるにまかせるというのか?
その問いはこっけいだ。私たちは腐海と共に生きて来たのだ。亡びは私たちのくらしのすでに一部になっている。
種としての人間についていっているのだ。生まれる子はますます少なく、石化の業病からも逃れられぬ。お前達に未来はない。人類はわたしなしには亡びる。お前たちはその朝をこえることはできない。
それはこの星がきめること・・・・・・。
虚無だ!! それは虚無だ!!
王蟲のいたわりと友愛は虚無の深淵から生まれた。
お前は危険な闇だ!! 生命は光だ!!
ちがう!! いのちは闇の中のまたたく光だ!! すべては闇から生まれ闇に帰る。お前達も闇に帰るが良い!!
お前達は希望の敵だ!!
オーマ来て!! オーマ!! オーマ!!
やめろ闇の子!! 世界を亡ぼした怪物を呼びさますのはやめろ!! お前は悪魔として記憶されることになるぞ!! 希望の光を破壊した張本人として!!
かまわぬ!! そなたが光なら光など要らぬ!! 巨大な墓や下僕などなくとも私達は世界の美しさと残酷さを知ることが出来る!! わたし達の神は一枚の葉や一匹の蟲にすら宿っているからだ!! オーマ!! その者を闇へ帰しなさい!!
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こうしてナウシカは、さまざまな葛藤や矛盾を抱えながらも、清浄な世界へ戻ったときの人間の卵や生命の秘密を破壊してしまいました。お互いの立場を理解することなく、会話が完全には噛み合わないまま、歩み寄りすら見せず、妥協点も見出せず、墓所は一方的に破壊されてしまった感さえあります。今後、この世界はどうなっていくのでしょう。ナウシカの言うように苦しみながらも生命が変わり朝をこえられるのかもしれないし、あるいは墓所の言う通り清浄な世界ではナウシカ達は生きていけないのかもしれません。作者の言わんとしている事をより理解できるようもっと深く読む必要がありそうです。
全部持ってて全部読んだはずですが、記憶が定かではないです。
見直せばいいだけのことですが。
by 春分 (2010-05-10 21:35)
春分さん
しばらくぶりに読み返したらやっぱり面白かったです。
ぜひ読み直してください。7巻のために6巻までがある。あたり前かな?
by jan-ll8 (2010-05-14 20:27)