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パタパタ2014 [トンボ]

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ハグロトンボ。時々翅を開きます。
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非常に特殊な撮影 [トンボ]

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昨年までコシボソヤンマを見る際は、自宅から15kmほど離れた産地まで自転車で行っていました。しかし今年、自宅からわずか1kmの川でコシボソヤンマの羽化殻を複数発見しました。これまでも自宅付近でコシボソヤンマを見かけることがありましたが、いずれも単発で発生地も分かりませんでした。同時に8個の羽化殻が見つかるということは、全体では8頭どころじゃない個体数がいるということ。ぐへへ。

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成熟した頃を見計らって行ってみると、やはり複数の個体が活動中でした。以前から通っていた場所なのに、なぜ今まで気づかなかったのか。

いないと思って調べても見えないんだよね。いる前提で調べると見えてくる。

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ところで、こちらは昨年撮影したコシボソヤンマ♂。
上の写真と違いキャッチアイや影、腹部のテカリが強く出ています。胸部の黄色も白く飛んでしまいました。通常、ストロボをトンボに向けて撮影しているからある程度はしょうがないんです。上の写真は屋内撮影で用いる天井バウンスという手法で撮影しています。だから全体的に影が少なくしっとりとした感じで写りました。新産地ではトンボが橋の下を飛んでいたのでこの手法を使うことが出来ました。

どっちがいいとか悪いとかそもそも違いが分からないって意見もあるわな。自分自身は綺麗に撮ることより面白いシーンを撮ることに重点を置いているので、こういう細かい技術のことはまぁどうでもいいんですけどね。屋外でバウンスというのもありうるよ、というくらいの事です。

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おまけ。
自宅付近で見られた希少なネアカヨシヤンマ。毎年数頭ずつですが4年連続で確認できました。コシボソヤンマの例みたいに、どこかまとまって発生する場所が付近にあるんでしょう。誰も調べないから知られていない、調べてみれば意外と身近にいろんな生き物がいるってことだと思う。
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パタパタ [トンボ]

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ハグロトンボのGIFアニメ作った。こりゃ真面目にやれば楽しいかも。
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UNTITLED [トンボ]

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セスジイトトンボ 2013.7

一日が48時間くらいないと足りない。いや、一日が48時間くらいあれば足りる。
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羽化終了 [トンボ]

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オジロサナエ?の羽化。

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オジロサナエ?の近くにあったコオニヤンマの羽化殻。

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コノシメトンボの羽化。

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ウチワヤンマの羽化。

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アリに襲われるコシアキトンボ。
1〜2割くらいの個体が羽化中にアリ、ナメクジ、サシガメ等の天敵に襲われてしまいます。

ダビドサナエやシオヤトンボといった春のトンボが終焉を迎えるのと同時に、夏〜秋のトンボが羽化しました。早くも第2シーズンに入りました。

全て2013.6撮影
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変な日 [トンボ]

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ミルンヤンマ♂

とある目的があって沢に行きました。この日はいろいろおかしなことが多かった。コンビニに店員がいなかったり、あり得ない場所でケータイが圏外になったり、あり得ない場所で知り合いに会ったり、あり得ない場所で別の知り合いに会ったり、なんでもない場所で突然自転車がパンクしたり、晴れてるのに雨が降ったり・・・。

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ミルンヤンマ♀

結局、目的は果たせず、しかもその晩は人に言えないようなショックな出来事が起きたのでした。おかしなことが多かったのはそのデスフラグだったのかも。さっさと帰れば良かったのだ。分かりにくいよ。ああ変な一日だった。
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ストロボ忘れた [トンボ]

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ウチから最も近いと思われるカトリヤンマの産地に行きました。範囲が小さく個体数も少ない産地です。この産地では夕方30分だけ黄昏飛翔します。昼間オスが縄張り飛翔してるのは見たことない。昼間でもカトリヤンマ♂が縄張飛翔する産地は、たぶんそこそこの個体数と密度があって、昼間飛んでいれば産卵するメスに出会う可能性が高い産地だと思う。

現地について早速カメラのセットをしようと鞄からストロボを取り出したら、そこにあったのはコンデジ!んなぁ・・・。ストロボとコンデジを間違えて持ってきてしまいました。はぁぁ・・・。夕方の撮影でストロボがないなんて・・・。内蔵ストロボも壊れているので、奇麗に写真に納めることは諦めるしかなくなりました。凹む。

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仕方なく西の空を背景にシルエットの写真を撮りました。ストロボがあったとしても、夕方の薄暗い中、すごいスピードで不規則に飛び回るカトリヤンマを森を背景に撮影するのは無理だったかも。肉眼でもなかなか追えないもん。(←負け惜しみだ )

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シルエットで見ていると、かなりの頻度でエサを見事に捉えていることがよく分かりました。さすが「蚊取り」ヤンマです。上手なのは当たり前か。演奏家に演奏うまいっすねっていうのは失礼なのと同じだ。確認できたエサは、蚊、ハエ、ガガンボでした。

今年は個体数が多いようです。100mくらいの範囲で10〜20頭ほどが見られました。多いと言ってもこの程度。昔、長野で見たカトリヤンマはその10倍くらいいましたからね。まあ、生息が確認できて一安心です。
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夏から秋へ [トンボ]

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夏の間は無数にいて縄張り争いをしていたコシアキトンボたちも、数えるほどしか出てこなくなりました。この個体も翅がボロボロでした。最後の頑張り。

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夏のトンボ、ウチワヤンマももう数頭しかいません。しかも戦いでボロボロ。今年羽化をみた右中脚が欠損したメスは無事に産卵できたのでしょうか。同一個体の虫をフィールドで追い続けるのはとても難しいのですが、もしできればいろいろ発見が多そうです。課題とします。

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ギンヤンマの連結産卵。夏の終わりから秋口にかけてなぜか個体数が増加するように感じます。気温の関係で活動できる時間帯が限られてくるせいだと思うのですが、実際はどうなんでしょう。どの個体も老熟しています。

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アジアイトトンボの産卵。春から発生を追っていると、5月と6月下旬に小さいピーク、8月中旬から9月上旬にかけて大きなピークがあるようです。どうも一年に3化しているようです。早いのは4化してるかも。午前中、交尾個体が多く見られ、午後になるとメスが産卵にやってきます。オスはメスに無関心になるようです。

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秋のトンボ、リスアカネの単独打空産卵。産卵中、どんどん日影に入ってしまうのでなかなかうまく撮影できません。これも今後の課題だなあ。気をつけてみると市内のあちこちで見かけます。昔より個体数が増えているような気がします。

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コノシメトンボの縄張り。一年ぶりに見るコノシメトンボは大きく感じました。コノシメトンボは多いのですが、もう少し大型のノシメトンボは市内ではほとんど見られなくなってしまいました。数年前までいるとこにはいたのにな。

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アキアカネの連結産卵。気温の低下とともに一挙に下山して姿を見せてくれました。ただ、無数の個体が見られるのは9月下旬から10月上旬のほんの一時のみで、すぐにどこかへ移動してしまいます。ただ全くいなくなるわけじゃなくて細々と12月下旬までいます。全国的に激減してしまったようですが、ウチの方ではまだそんなに少ないわけではなさそうです。

ここ10年くらい苗に使用されている農薬が原因(と思われる)で、水田はトンボの生息には不適になってしまいました。今数を減らしているアカネは水田への依存度が高い種で、水田以外にも繁殖場所を持っている種はそれほど減っていないようです。ちなみにこの農薬のおかげでトータルの農薬回数は減り、農家の農薬被爆も減り、稲の害虫被害も減ります。
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食べる・食べられる [トンボ]

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シオカラトンボが稲に見えたので近づいてみると・・・。頭部は既に食べられており胸部も1/3くらいが食べられていました。こんな状態でも呼吸をしていましたから生きているようです。さすが昆虫。ちなみにトンボの胸部の肉は甘みがあって美味しいらしい。

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池に浮かんでいたのは見覚えのある翅。たぶんギンヤンマ♂の前翅です。近くに後翅もありました。同じようにカマキリに食べられた跡かもしれません。

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こちらではシオカラトンボ♀が摂食中でした。捕えたのはハチの仲間のようです。

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上の写真のピクセル等倍。なんとハエがとまっていました。目ざといと言うか何と言うか・・・。
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機材受難 [トンボ]

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ハグロトンボの産卵。どんな清流だよっ、て感じだけど近所の汚めの川です。たまたまここだけ澄んで見えます。

最近、広角の写真が出てこないのには訳があります。数少ない広角系のレンズを池に落としまして修理中です。¥45,000.なり。はぁ。ボディにセットしたつもりがされてなくて、ボディを持ち上げたときにポロッと落ちてしまいました。もちろんスローモーションでした。不注意ですね・・・

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セスジイトトンボの連結。

この写真を撮る時も徐々にアングルを下げていって、いつの間にかマクロレンズが水に浸っていました・・・。大事には至りませんでしたが、もう少し機材を大切にね。

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セスジイトトンボの羽化。

ストロボが2台あったのですが、1台は3回に1回しか光らず(多分コンデンサの寿命だ)、もう1台はフル発光しかしません。フル発光しかしないストロボの扱いにくさは想像を絶するものでした。修理見積りは購入価格のの6割もかかるとのことだったので、やむなく2台ともお役御免で新品を2台購入しました。¥54,000.なり。2台あるボディは共に外装のラバー、アイカップが外れてしまいました。内蔵ストロボは汗で錆びとっくの昔に開かなくなっているし、シャッターは耐久回数の2倍を超えています。さらにレンズとの接点のエラーが度々出るようになりました。トンボの写真を真面目に撮り始めて4年目。荒っぽく使ってきた機材たちがそろそろ限界を迎えているのかもしれません。
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抽水性植物の住人 [トンボ]

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ギンヤンマ連結産卵

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セスジイトトンボ♂

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ハグロトンボ♂

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シオカラトンボ♂

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アジアイトトンボ♀

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アオモンイトトンボ♀

抽水性がちょっとでもあればイトトンボの仲間が住めるのに、と、三面張りの川を見ると思ってしまいます。
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炎天下対策 [トンボ]

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オオヤマトンボの登場回数があまりに少ないのは、好きじゃないとか興味ないというわけじゃなくて単純に撮影が難しいからです・・・。コシアキトンボのように数が多いうえに同じところを往復し続けるトンボであれば、そもそものシャッターを切る回数が増やせるのでうまく撮れてる場合も増えます。オオヤマトンボは大きな池をぐるっと1周するので、そもそも2分に1回くらいしかシャッターチャンスが来ません。2分に1回というのも平均がそれくらいというだけで、その途中で別のオスとトラブって帰ってこなかったり休憩に入ったり逆回りになったりと、かなり不規則にやってきます。しかも炎天下なので待ち時間の間にたいてい撮影者の方が参ってしまうんですね。暑いのとチャンスが少ないのとが原因で撮影が難しいトンボです。

今年はオオヤマトンボ対策をしまして、まあまあキレイに撮ることが出来ました。

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夏に耐える体力を付けておくために冬場に走り込みと筋トレをしました。6分/kmくらいのスピードで1日5〜10km、3ヶ月で無理なく300km程度。体力を付けた上で、夏バテを避けるために冷たい物は一切胃にいれず、むしろ朝から熱いスープを飲みました。フィールドでの飲み水は日光で40℃くらいに暖めておきました。日焼けで皮膚が痛むと発汗作用が不調になりフィールドに長居できなくなります。これを避けるために長袖を着て紫外線対策。さらに顔、手の甲、首には日焼け止めを塗りました。もちろん帽子も。そのかいあってか炎天下33℃くらいなら別になんてことなく普通に過ごせています。仕事で45℃の部屋に2時間くらいいることがしばしばありますが、特に体調に問題は出ません。要するに暑さに鈍感になったわけです。炎天下に長時間いることができるようになったらあとはチャンスをひたすら待つだけ。

そこまでしてようやく撮ったオオヤマトンボ♂の飛翔。腹部が分厚くてカッコいいし複眼の緑が映えますね。

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メスが産卵に入りました。メスが産卵するのはオスが池に来る前のAM6:00前後、暑くてオスが減る12:00前後、オスが池から去る17:00、の3回くらいピークがある気がします。

そういえば数年前、デリーで炎天下40℃を経験しましたがあれはキツかった。どこに行っても40℃。ずっと40℃。昨日も明日も40℃。毎日40℃。汗が大量に出るのでその分水を飲むんですが、いくらお腹を冷やさないように注意したって大量の水を飲むことで胃液が薄まるのでバテてしまいました。1日3リットル以上飲んでました。それと比べたら日本の33℃なんて冬みたいなものです。そりゃ言い過ぎか。

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産卵の瞬間はうまく撮れませんでした。腹端で水を引っ掻いて飛ばしていました。
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自然状態を見たい [トンボ]

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産卵に降りてきたマルタンヤンマ♀。

トンボの写真を撮るのはただ単純に楽しいということもあるけど、私の場合、自然状態のトンボの生態を把握したい、ということにあります。写真自体は目的ではなくて知りたいことを調査するための手段なわけですね。

ヤンマの産卵を撮るためにヤンマが好きそうな朽木を置く場合があるようですが、私の基準ではそれは自然状態にはない、ということになります。それだと自分の知識を超えた生態は見られない。また、A種を撮影するために競合するB種を排除する場合があるようですが、それも同じく自然状態にはない。私だったらB種がA種を追い払っているシーンを撮りたい。朽木セットもB種排除も別に何が悪いというわけじゃないですが、私の知りたい自然状態のトンボの生態はその方法では見えなくなる可能性があります。目的が違うんです。そんなわけで、トンボ日和に登場するトンボたちのほとんどは何の仕掛けもなくあるがままの状態です。ほとんど、ということはそうじゃないのもちょっと混ざってます。トンボに触りたくて捕まえて撮ったヤツとか。

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干上がった池にトンボの亡骸が落ちていました。たぶんオオシオカラトンボだと思う。何があったんでしょう。

ちなみに人の手の入った里山は自然ではないと思いますが、トンボにとっては生息に都合がいい場合が多いようです。里山自体は自然ではありませんが、トンボが自然状態で生息しているのでOKなんです。

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水田の防鳥ネットの中にコシボソヤンマ♀がいましたが、これは自然状態ではないので助けてあげました。クモにかかったトンボを何回か助けたことがありましたが、自然状態を壊した行為だと思って反省しています。コセンダングサの実に絡まったトンボを助けたこともあります。コセンダングサは外来種で本来はないはずのものなので助けて良いような気がしますが、もはや生態系の一部となっていると見れば助けないのが自然状態かもしれません。

ヤゴは水槽に入れて撮影するし、トンボ以外の蛾やクモなどを撮影する時は余計なものが画面に入らないように植物をどけたりしています。トンボ成虫の撮影ではほとんどしません。あくまで自然状態の生態を見たいので。要するにトンボ成虫の生態だけに興味があるんですね。なんか不公平だし間違ってるし損してる気がする。自分がフィールドにいてカメラをトンボに向けている状態自体が自然状態を少し損なっているので、それ以外は自分からは手を加えずなるべくそのままで見たいんですよね。自然とはあるがままであること、です。

私は採集はしませんが、採集自体は否定していません。否定どころか採集しないと分からないことだらけなのでむしろ肯定しています。写真が生態なら採集は形態です。トンボを知るための両輪なんです。両方あるから知ることが多い。調査・研究・教育目的の採集ならば。販売目的の採集、乱獲、単なるコレクションのための採集、希少種の違法採集には反対です。
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同種喰い [トンボ]

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シオカラトンボのオスが、なんと同種のメスを食べていました。同種喰いはメスがオスを食べるのが普通で、むしろ当たり前とも言える行為ですが、オスがメスを食べるのは珍しい。

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と思ってたらまた同種喰いに出会いました。食べられているのはシオカラトンボの未熟オスです。この日は同じシーンに3回も遭遇しました。

シオカラトンボ3化目が次々に羽化していますが、既に成熟している個体は羽化直後の個体をエサと見ているようです。なんか理不尽な自然界の掟の一つを見たようでした。
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池を彩る [トンボ]

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夏の池を彩るトンボの一種、ウチワヤンマが炎天下で縄張り争いを続けていました。今年はウチワヤンマが少ないという声が聞こえてきますが、少なくともこの池では例年通りか例年より多いようです。あぶれたオスが池に入れず周囲の植え込みで待機しているところが見られます。

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わたし、そこに止まりたいんです...。

遠すぎて100mmマクロじゃキツイ。近くにには400mmクラス以上の大砲を持った方々がずらり。こんな美味しいシーンなのになぜかシャッター音が聞こえないんだよなぁ。

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メスはといえば池からちょっと離れた木の上で枝のふりをしていました。太陽に向いた枝の先端にとまっていました。メスも多い。この樹には3頭のメスがとまっていました。

6月に羽化を見た右中脚がないメスが見られるといいんだけどな。

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オスが池からいなくなった瞬間に降りてきていそいそと産卵していました。糸でつながった卵を池から飛び出した枝に絡み付けていました。茶々を入れるのはシオカラトンボ♂。

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でもすぐに戻ってきたオスに捕まってしまいました。
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昼間のマルタン [トンボ]

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林道を歩いているときにアオキにぶら下がっているマルタンヤンマ♂を発見しました。しかも超珍しく三脚、ストロボ2台、ストロボトランスミッターを持ち合わせているという完璧なシチュエーション。

三脚をセットしてまずはストロボを焚かないで1枚パシャ。これからじっくりストロボを前後から当てながら撮影しようかと思っていましたが、このあと突然飛び立ってしまいました。あーあ。残念。

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近くにとまったので再度セットしようかというところでまた飛び立ってしまった...。どうもただ単に枝にぶら下がって休んでいたわけではないような気がします。じゃあ何をしていたのか。今後調べてみようかと。

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ヤンマのぶら下がりは林の暗がりで見られるので、肉眼ではだいたいこんな感じで見えます。というか見えません。画面ど真ん中。

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もう少し接近するとだんだん輪郭が見えてきて...

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マルタンヤンマの未熟♀でした。

この日はとある目的があって三脚を持っていましたが、結局そのシーンは見られませんでした。でも三脚とストロボが役に立ったからいいや。めでたしめでたし。
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アジトン [トンボ]

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オオシオカラトンボ成熟♂

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シオカラトンボ老熟♂。今年の1化目の個体だと思います。身体がもうボロボロです。

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シオカラトンボの若い♂。2化目の初々しい元気な個体。

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1化目の老熟♂と2化目の若い♀の交尾。世代的には親と子供の戻し交雑。

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ヤマサナエがまだ残っていました。♀を3頭だけ見ました。
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ウチワヤンマの羽化が見たい! [トンボ]

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大型のトンボの羽化はだいたい明け方なので、ウチワヤンマも明け方だろうと思い込んで4:00に池に行ってみました。しかし、残念ながらさっき羽化しましたみたいな羽化殻が残っているだけでした...。

そこで翌日は3:00にしてみましたが結果は同じ。う〜ん、明け方じゃないのか。

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気を取り直してもっと早く行ってみると、ようやく羽化しているウチワヤンマを複数見ることが出来ました。ホントに繊細で奇麗でした。やったね!このあと翅を開いて、なんと真夜中の空に飛び立ちました。眼は見えているんでしょうか。なるほど明け方来たって羽化殻だけになっているわけです。

ところでこの個体、右中脚が根元からありません。羽化中にアリにでも食われたのかと思いましたが...

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羽化殻をよく見てみると、右中脚の腿節が黒ずんでいて脛節と附節がありませんでした。ヤゴの段階で何か事故があって中脚が死んでしまったんですね。ただ、脚が傷んでいても羽化には影響があまりないようです。

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えっと、そんで羽化の過程が見たかったので、後日さらに1時間半早く池に行きました。そして池の縁を念入りに調べていると、ようやく定位したウチワヤンマのヤゴを発見!今度はちょうどよかった。

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背中が割れて羽化が始まりました。ヤゴの中からゆっくりゆっくりトンボが出てきます。

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翅が完全に伸びました。いや〜キレイだった。

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名前の由来のウチワも伸びきって、無事ウチワヤンマの形になりました。

実は場所が悪くて非常に撮影しにくくて無理な姿勢を続けていました。しかもLEDランプが連続点灯しすぎで途中で消えちゃうし。寒いし暗いし寂しいし怖いし眠いし疲れたし、翅を広げる前に体力と気力の限界が来てしまって帰りました。


ところで、2枚目の写真を撮る前に警察屋さんが現れて職務質問されてしまいました。
 警「こんばんはー。どうされました?」
 私「あ、トンボの羽化を撮影しています」
 警「えっ、トンボって秋じゃないの?」
 私「えっと、この時期に羽化して夏と秋に飛びます」
 警「あそう。この池にヤゴがいるってことは魚とかもいるの?」
 私「あ、はい。たぶん魚とかエビとかを食べてると思います」
 警「・・・略・・・?」
 私「・・・略・・・・」繰り返し
 警「で、羽化って何だっけ?卵が孵ること?」
 私「えっ!あ、いや、ヤゴがトンボになることです」
 警「あそっか。秋は産卵か」
 私「???」

なんだか会話になってるんだかなってないんだか、よく分からない話がしばらく続きました。警察官だって常識人の範疇なんだろうから「羽化」くらい知っててくれよ。生き物に興味がない人にとってはこんな程度の認識なんだよな。トンボは秋だとかね。ちょっとあきれてしまいましたが、向こうは向こうで多分「いい年してこんな深夜にカメラ持って何やってんだよ」ってあきれていたのでお互い様なのでした。

警察としてみれば深夜にうろちょろしてるヤツは怪しいヤツなわけで職務質問するのは当然のことです。私自身は別に悪いことをしているわけじゃないけど、深夜に出歩くことで警察の時間を奪ってしまっているわけだから、あまりいいことじゃないかもね。ほどほどにね。
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最強のトンボ図鑑が出た! [トンボ]

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待ちに待った最新のトンボ図鑑が発売されました!
「ネイチャーガイド 日本のトンボ 尾園 暁・川島逸郎・二橋 亮 著 / A5判 / 532ページ / 定価5,775円 / 文一総合出版 」

著者はプロの写真家とプロの細密画家とプロの科学者。もちろん3人ともトンボの専門家でもあります。それぞれの持ち味を余すところなく発揮・融合し、日本のトンボのことなら何でも細部まで分かるようになっています。トンボをよく知らない方が種類を調べるような使い方もできるし、単に生態写真を見てるだけでもその美しさに感激するでしょう。また、元々トンボをよく知っている方でも超最新の分類、写真の美しさ、細密画を用いた形態解説には得るものが多いはずです。

最新の研究で判明した新たな分類、日本産全種類の成虫の標本写真、生態写真、ヤゴの写真、見分けるポイントの細密画、イラスト、解説、コラム等々がほぼフルカラーで500ページ以上にもわたって書いてあります。また、印刷の質が非常に高くルーペで見ても印刷のドットが見えません。つまり写真がホントに奇麗です。いや〜ホント中身が濃すぎてビビりました。濃すぎて疲れた。この内容がコンパクトにA5判に納められていることに驚きました。もしA4判の図鑑なら50,000円くらいするんじゃないかと思えるような中身です。これで10,000円もしないなんてホントに安すぎる。信じがたい時代です。

昔、大学の先生に言われました。「授業1コマ90分喋るためにその10倍くらいの時間をかけて準備する。その道の一流の人が15時間勉強したことを90分にまとめて聞けるわけだからよく聞いておかないともったいないぞ」と。なるほどなと思いましたが、この本もそんな感じです。この本の場合、15時間どころかプロ3人の何十年分の知識がぎっしり詰まっているわけですから。プロ3人が山を越え谷を越え、雨に打たれ、灼熱にさらされ、ブユにさされ、ヒルに吸われ、危険な目に遭いながら調べ上げてきた成果がぎっしり詰まっているわけですから。それをエアコンの効いた部屋で見られるわけですから。だから図鑑というのは100,000円以上するようなヤツでもじつは安いんです。それにしたってこの内容の濃さで6,000円弱ではいくらなんでも安すぎる気がします。

写真にちょっとした英語解説が添えられています。これは多分、今月小田原で開催される国際トンボ学会議に対応したものかと思います。世界中のトンボ学者がトンボの国にやってくるんですが、この本を見て度肝を抜いて帰ることになるかもしれません。日本が世界に誇れる、世界のトンボ界でも一歩先行く最先端の図鑑だと思います。すばらしい!
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ヤンマの和名 [トンボ]

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アオヤンマ♂。出始めといったところでした。少しですが交尾も見られました。

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アオヤンマ♀。薮を丁寧に飛んで餌となるムシを探していました。見つけると襲って食べていました。

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アオヤンマ♀羽化殻が何個か見つかりました。茶色っぽい枯れ枝で羽化している場合が多いようですが、緑色のアシでも羽化するんでしょうかね。

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昨年集めたミルンヤンマの羽化殻の一部。下段9個がメス、他25個がオス。

昨年マルタンヤンマとミルンヤンマの羽化殻を集めて調べましたが、どちらもオスが先に羽化して♀が後から出てくることが分かりました。オスが先に出て成熟しメスを待つのが狙いなのかもしれません。あるいはオスが先に死んだあとメスが気兼ねなく産卵に専念できるのが利点なのかも。アオヤンマはどうなのか、調べてみると面白そうですが、パワー不足なのでやりません。

以下、県内で見られるヤンマ13種。○△×の記号は、形態や生態と和名が一致しているか否か。
○ コシボソヤンマ ←ぴったり!
○ カトリヤンマ
○ ヤブヤンマ
○ ルリボシヤンマ 
○ オオルリボシヤンマ
△ サラサヤンマ 
× ミルンヤンマ 
× マルタンヤンマ
△ アオヤンマ 
△ ネアカヨシヤンマ 
× ギンヤンマ 
△ クロスジギンヤンマ

私は和名を見れば生態や形態が想像できる名前が良いと思っています。なので、研究者の名前を冠したものや生態や形態が想像できない名前は望ましくないし、おせっかいにも名前を付けてあげたいと思ってしまうのです。

・サラサヤンマは「更紗模様」が由来のようですが、どの辺が更紗模様なのかイマイチよく分かりません。ただ、美しすぎる名前なので良しとしています。あるいはハルヤンマ、コガタヤンマとか。
・ミルンヤンマはイギリスの地質学の先生の名前から取ったらしいけど意味がよく分からない。日向で見ることがほとんどないので、ヒカゲヤンマとかネクラヤンマでいいのでは。
・マルタンヤンマはやはりトンボ学者のマルティンさんの名前から来ているらしい。美しい体色と黄昏飛翔に特徴があるヤンマなのでそこから和名を付けたいところですね。アオヤンマ、グンジョウヤンマ、チャバネヤンマ、ヒグラシヤンマとか。
・ネアカヨシヤンマは生態をよく知らないのでパス。
・アオヤンマは全身緑色なので悪くはないのですが、アシに依存した種類なのでアシヤンマ(ヨシヤンマ)でもいいんじゃないかな。
・ギンヤンマは意味が分からない。英名(Green darner)に合わせてミドリヤンマでもいいかも。ヒスイヤンマとかカッコイイ。クロスジヒスイヤンマ!カッコイイじゃない。

今後、ヤンマの和名が変わるということはまずないと思うけど、もしもし変わることがあるならいい名前を付けてあげたいものです。
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若かった [トンボ]

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基本的には近所にいるトンボを見るのが好きですが、ちょっと山に遠征してムカシトンボを見てきました。5月の上旬にピークを迎えるのでちょうどいいはず。

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山に入ってすぐ、早速すごいスピードでピュンピュン飛び回るムカシトンボに会うことが出来ました。2年ぶり。たくさんの個体が飛んでいたので至近距離で見られるチャンスがありそうだと思ったのですが、いつまでたっても飛ぶのは上空ばかり。樹上で探雌しているようなそぶりも見せていましたが、結局午後になっても沢には降りてきてくれませんでした。

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至近距離で見ることが出来ず、持っていった広角レンズの出番はありませんでした。残念。でも正面の面白い顔が撮れたからいいや。

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沢に生えているフキの茎にはムカシトンボの産卵痕がほんのちょっとだけありました。産卵初めといった印象。産卵が頻繁に行われればオスも沢に降りてきて探雌や縄張り飛翔を行うようになるんだと思います。

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羽化殻がたくさん見つかりました。多分、冬が寒くていつもの年より羽化がだいぶ遅れたんだと思います。だからまだ羽化殻が残ってる。そんで、その分成熟も遅くなってるんでしょう。
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いい季節! [トンボ]

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シオヤトンボ♀。
植物の写真を展示する機会があって、4月はそれに追われました。ホントたくさんの方に見てもらえてよかった。一段落。ようやくまともにフィールドに出ることができました。初トンボは2年連続シオヤトンボになりました。

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半熟のオスもいました。何となくだけど昨年より4日程出てくるのが遅いみたいです。ベニシジミが一緒に写ったラッキーショット。

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オスの縄張り争い。短い成虫期間を真面目にかつ一生懸命に生きてるなあ。まだ目が慣れてなくて、スピードについていけませんでした・・・。

フィールドでのんびりできて日差しが柔らかくて風が心地よくて新緑が爽やかでトンボが出てきて、ずーっとこの気候でずーっと連休だったらいいのに。って仕事行きたくなくなるわっ!
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信仰の対象だったトンボ [トンボ]

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島根県立古代出雲歴史博物館に行く機会がありました。加茂岩倉遺跡で発掘された銅剣や銅鐸の展示は圧巻でした。その中の一つ、35号銅鐸。

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かなり写実的なトンボが描かれていました。銅鐸はおそらく祭儀等で鐘として利用されてたんだと思いますが、トンボが描かれているという事は、当時トンボが信仰の対象であったということ。弥生時代に稲作が始まりましたが、年による作凶の変動は当時の人にとって生死に関わることで、重要な関心ごとだったに違いありません。そしてウンカなど害虫を食べるトンボを崇めたのでしょう。トンボがたくさん出た年は豊作になったんです。きっと。

ちなみに稲作を行わない西洋などでは、トンボは不吉なものとして扱われる場合があります。稲作とトンボは密接に関わっているんですね。

さて、この銅鐸のトンボの種類は何か。水田のトンボと言えばアキアカネとカトリヤンマが思い浮かびますが、これはおそらく違います。この2種は収穫間近、あるいは収穫後の秋の水田に集まりますから。水稲が最も害虫の害を受けやすい時期は6月から8月くらい。この時期に害虫が発生して稲を痛めると収量に大きな影響があります。それを考慮に入れるとシオカラトンボかギンヤンマかな。ウンカをたくさん捕えそうなのはシオカラトンボの方。銅鐸トンボの腹部はシオカラトンボの腹部に形が似てなくもない。多分シオカラトンボだ。当たってる気がする。

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この35号銅鐸は記念硬貨にもなっています。トンボが硬貨になるなんて、さすが「あきつしま」ですね。
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オオアオイトトンボと風邪 [トンボ]

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オオアオイトトンボを見に行ったらまた風邪を引きました。全く情けない。5年に1度くらいしか体調を崩さない健康優良児のはずが、今年はすでに3回も病院に世話になってしまいました。確かに近年明らかに体力が低下してるし、疲れもたまってるのかなあ。スイマセン、ちゃんと保険証出して3割しか負担しませんでした。本来私のような健常者がバリバリ働いて健康保険を払って、お年寄りとか子供とかの負担を減らす仕組みのはずなのに、自分が使ってどうする。ああ何やってんだか。
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秋色の時間 [トンボ]

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さすがにトンボが減ってきました。アキアカネを探すのにも一苦労。今の時期は枝先には止まらず葉っぱの上にペタッと止まっています。木の葉を丹念に探すとアキアカネの影が見つかることがあります。

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オオアオイトトンボも減ってきました。晴れた日の12:30以降に若干見られます。産卵もまだ見られます。この時期のオオアオイトトンボは薄く粉を吹きます。

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見慣れないトンボがいました。市内ではほとんど見ることができないホソミオツネントンボ。枝になりきっています。この寒い時期に飛来するとは考えにくいので、ここに生息しているのかもしれません。成虫のまま冬を越します。偶然の出会い。ラッキーでした。

夏のようにがつがつトンボを追うつもりがないので、なんだかまったりといい時間です。もう少し暖かいと最高なのですが。調査のテーマでもあればちゃんと追うんでしょうけど、ちょっと疲れ気味なのでしばらくおとなしくしてます。さしあたり没期の確認くらいですかね。
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ダーウィンが来た! [トンボ]

先日、NHK総合で放送された「ダーウィンが来た!華麗!トンボのスーパー飛行術」見ました。うわさ通りで想像通りの内容でした。と言うとたいした内容じゃなかったみたいですが、うわさも凄かったし想像も凄かったし、従って内容も凄かったということです。昆虫がテーマになること自体珍しいし、撮影も難しいはずですが、さすがNHKです。完璧でした。あ、いや、100点満点で99点です。

特に凄かったのが、「アオヤンマのクモ狩り」「シオカラトンボのチョウ狩り」「ギンヤンマのホバリングのドアップ」「ギンヤンマ縄張り争い」「コシアキトンボ水浴びから3回宙返り」「アキアカネの登山と下山の空撮」です。ってほとんどじゃないか。ハイスピードカメラを使い翅の動きの細部まで鮮明に写っていて非常に分かりやすい映像でした。

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ショックだったことが2点。

写真を使ってトンボの生態を調査したいと常々思っていますが、こんな風にNHKの凄い映像技術を見せつけられてしまうと、自分のやっていることは大変チッポケなことだと思い知らされました。写真だけではどうにも限界があり、また、機材の違い、プロとアマの違い等、どうにもならない差が浮き彫りになってしまいました。

もう1つ。上のテレビ画面の写真は番組で「アキアカネの交尾のシーン」として紹介されたものです。アキアカネの交尾態のホバリングは見たことがないのでおかしいぞと思いました。録画をコマ送りにしてみると、案の定「ナツアカネの交尾態」でした。つまり、アキアカネとナツアカネの区別がつかないスタッフにもかかわらず素晴らしいトンボ番組を制作してしまったということ。知識では多少勝っていたとしても、結果では到底追いつけない差があります。ショックでした。トンボの撮影にはトンボの生態の知識が不可欠ですが、多少の知識不足を圧倒的な機材と時間をかけて克服しているのです。学術的にも大変貴重な映像だったし、歴史的な番組と言っていいと思います。アキアカネとナツアカネを間違えたので99点です。

NHKの番組はどれも非常に質の高いものばかりです(「ガッテン」と「鶴瓶の家族に乾杯」はちょっと苦手ですが)。NHKというだけでいろいろと叩かれてしまいますが、悪い体質は直しながら、これからも改善と創意工夫でいい番組を提供してほしいです。そのために必要があれば受信料を上げても個人的にはかまいません。民放でも時々まともな番組がありますが、論理的で説得力のある質の高い番組をもっと多く放送してほしいものです。

大阪市長選の影響でダーウィンが放送されなかった地域があるようです。かわいそうです。社会の閉塞感を打開したいという風潮の中で、ちょっとずつ変えていこうという候補者とぶっ壊しちゃえという候補者がいて、どちらかというと後者が選びやすかったようです。テレビ番組で有名になってから知事に当選するのはスキルの一つですから問題ない気もしますが、無責任にも任期途中で知事をほっぽらかしたのは話が違います。そんな方に市政ができるでしょうか。任期途中でやっぱり国へ!と言い出しそうです。バイタリティがあるのはいいですが責任は果たすべきです。民意を武器にした暴力的な言動が目立ちますが、そもそも民意で知事に選ばれたのですから、民意を裏切り無責任にも自分勝手に知事を辞めた今、民意を武器にするのは大変見苦しくみっともない。構造だとか権力だとかうんぬんと言っていますが、国や都市を作っているのは「人」なわけですから、建前で語られる政治の構造や権力の話ではなく、まずは「人」を大切に扱う市長になってほしいです。大阪を救う英雄か、権力に固執する思い込み激しいただの独裁者か。自分と違う考えの人は(例えそれが正確な指摘であったとしても)徹底的に排除する裸の王様になりませんように。これから、おかしな形に積み上がった積み木を安定した正しい形にしていかなければならないのですが、ちょっとずつ直すのでは遅いしぶっ壊すのは大きな混乱が生じます。積み上がった積み木を1歳児がぶっ壊すのと大阪市を市長がぶっ壊すのとは違うんです。選ばれたからには時間をかけることなく正確に、ぶっ壊すべき癌細胞だけをぶっ壊し、不安定なところは鎹なり筋交いなりで安定させてほしいです。人から信頼され、市長の役目を大いに果たし、ぜひ大阪から日本を再生してほしいです。

ここまできたらついでに、官僚と天下りについて。官僚とか天下りと聞いただけでアレルギー的にダメと考えてしまうのはいかがなものか。官僚は幾重の難関な試験を上位で通過して集まった、いわば日本のブレインです。国会議員がダメダメなのに日本がここまで成長できたのは官僚がしっかりと国の仕組みを考えていたからかもしれません。官僚を生かそうとしない総理がいましたが、国会議員が日本のブレインの代わりをするのは土台無理な話です。わずか数ヶ月で日本がめちゃくちゃになってしまいました。今は立場を利用した収賄は他国と比べれば皆無だし、仕事の割りに給料もめちゃくちゃ高いわけじゃない。その割りに能力があってよく働く。民間に引き抜かれれば3倍給料がもらえると言われる中、それでも官僚として働く方が多いそうです。これからもサラリーマン級の給料でお国のためにしっかりと働いてほしいです。天下りは官僚の人脈なり知識なりを目的としていれば、ただの経験を生かした再就職にすぎません。人脈と知識は個人が努力した結果得られた能力で、これを売りにして就職活動をして悪いわけがありません。問題はポストがあらかじめ用意されていることです。玉突きのように動きながらスポスポと収まっていく構造がダメなんだと思います。この構造はあってはならないと思います。

脱線しすぎた。話を戻して「ダーウィンが来た!華麗!トンボのスーパー飛行術」。
 オオアオイトトンボのせいで風邪を引いてぐったりしていたので、ダーウィンは見ないで寝ようとも考えましたが、結局ちょっとだけ見てから寝ることにしました。まあ、結論的には想像通り失敗しましたが・・・。最初の30秒の映像がすでに尋常じゃないシーンの連続で、興奮は30秒でピークに達しました。アドレナリンが毛穴から吹き出てるようでした。吹き出たアドレナリンを袋に入れて冷凍庫に入れればアドレナリンの結晶ができそうなくらい興奮していました。そして、ちょっとだけのつもりがあっという間の30分になってしまいました。ダーウィンの30分だけは興奮して風邪の症状が全く出ませんでしたが、ダーウィンが終わった直後に、決壊するダムのように激しい発熱と頭痛に襲われました。さあ寝よう。寝て治そう。
 ところが凄いトンボの映像が頭の中で時計回りにグルグルと回って眠れません。死ぬかも。このまま死ぬかも。おとなしく寝てればよかったのにダーウィンを見ちゃったから死ぬのかな。やり残したことがあるんだ。まだ死にたくない。それでも頭の中でアオヤンマがクモを狩り、ギンヤンマがホバリングします。もう寝るんだ。と叫びながらもまだコシアキトンボがスローモーションで連続3回宙返りをします。
 苦しくて息が荒くなります。吐息は雲となり小さな水滴が集まってついに雨となります。雨は山肌へ打ちつけられ、地層を伝い、岩の間から滴り落ちます。そこには流れがあり溜りがあります。
 潜ってみるとやはりいました。クロスジギンヤンマのヤゴです。ヤゴがいることも知らずに寄ってきたモツゴが、何も理解できないまま一瞬でヤゴに捕らわれ食べられてしまいます。一瞬でぺちゃんこになる蚊と同じように。大気圏に突入した宇宙の塵のように。何も理解できない。死んだことにすら気づかない。まだ死にたくない。
 寒い。毛布を4枚かけ湯たんぽも抱いているのに。体温は38度。そりゃそうだ、暑いのだ。でも寒い。暑いのに寒い。薬を飲んで20分、身体がようやく暑さに気づいたのか汗が出るようになった。汗はゆっくりと、確実に体内から染み出てくる。汗は首筋を伝い、やがて岩から滴り落ちる。
 どこかで見た風景。なつかしい日本の風景。早苗が風に揺れている。緑色の大きな旗みたいだ。飛び立った若いアキアカネは上昇気流を捕らえ羽ばたくことなく上空へ向かいます。どこまで上がる?37度?38度?いや、38.5度。山頂に到達したアキアカネはそこで夏を越します。ちょっと待った~!なんで山で過ごすの?平地にいればいいじゃないですか。そうもいかないんです。アキアカネは暑いのが苦手だから。
 ゴンゴロゴン。熱くて頭がとても痛いんです。スチームサウナの中で、それでも凍えながら、1秒に1回シルバーバックに背後から頭部を殴られます。激しい頭痛って音がするんです。積乱雲の中でほとばしる稲妻のような音。轟音と豪雨。
 真っ暗になりました。豪雨がやみません。やむ気配すらありません。雨が地面を打つ音がはっきりと聞こえます。他の音は何も聞こえていないのに、それを補うかのように雨音だけが必要以上に大きく聞こえています。ザーと。締め切られたコンテナの中で聞くラジオの雑音のように。川がついに氾濫し、コンテナが流されていきました。心配そうに見ていたイタチはついに丘に避難しました。鳥はあまり焦っていません。
 破壊と創造。好きと嫌い。生と死。彫刻と腐敗。そして再生。水が引き氾濫原に新しい水辺ができていました。マルタンヤンマが産卵にやってきました。
 時計が回っている。長針は短針の12倍も多く回り、秒針は長針の60倍も速く回る。不公平だ。たまには短針がたくさん回ったっていいじゃないか。反対に回ったっていいじゃないか。秒針はたまには休みなよ。それもそうだな。時計の針達が無秩序に動くことを覚えて、グルグルグルグルとどれぐらいの時間が経ったんだろう。
 汗が水溜りになった真っ暗な夜、ひっそりとマルタンヤンマが羽化しました。腹部を伸ばし翅が乾くころ、カーテンのすき間からまぶしい朝日が昇りました。あれ、部屋で羽化?ウチに水溜りとヤゴ?ばかな、こんな時季にマルタンヤンマは羽化しないよ。いやいや、俺は羽化してないよ。一体どうなってるんだ。汗で服が濡れています。
 朝か。いつの間にか眠っていたようです。風邪は続いています。病院に行こう。
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オオアオイトトンボの見つけ方 [トンボ]

よく晴れた晩秋に、森に隣接した池へ半袖シャツで行きます。それだけ。

そうすると・・・

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ほらいました!

寒いから陽だまりに行くでしょ。そうすると同じ目的のオオアオイトトンボにめぐり合えるわけ。日向の笹薮に2m間隔でにオスが止まっていました。


風邪引きますた×_×
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青い複眼 [トンボ]

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不自然なほど青い複眼をしたオオアオイトトンボ♂を発見。

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こちらは普通の個体。複眼は緑色です。まあ大差ないと言えばないから通常の個体差の範疇なんでしょう。

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上から見た青い複眼の個体。いや、やっぱり青すぎる気がする・・・

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オオアオイトトンボは池にせり出した枝先に産卵をします。高い場所であることが多く、なかなか間近で撮影できません。今後の課題ということで。
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水田とレンガの共通点とアキアカネの能力 [トンボ]

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雨が上がるとどこからともなくアキアカネの連結がやってきましたが、産卵している場所はなんとレンガ!

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水がたまった場所は他にも砂場とかコンクリートとかアスファルトとかありましたが、レンガ以外にはほとんど興味がないようでした。レンガに固執してたくさんの個体が集まって産卵していました。

本来の産卵場所は氾濫原で春に水が来るようなところ。例えば水田はアキアカネの一大繁殖地です。水田が好きなアキアカネがレンガに固執するとは如何に。

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メスの単独産卵も見られました。オスに連れてこられたわけじゃなくメスが好き好んで来たので、やはりアキアカネは元々の性質としてこのレンガが好きなようです。

水田の土はほとんどが粘土、粘土があるから水がたまるわけですから。いっぽうのレンガはその粘土を焼きしめたもの。つまり水田とレンガの共通点は「粘土」にあります。アキアカネは粘土を感じ取る能力があるのかもしれません。

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稲刈りの終わった水田で産卵するアキアカネ。

トンボは嗅覚が弱く、粘土を匂いで感じているとは思えません。おそらく視力で粘土を感じています。でも見た目じゃ粘土はわかりませんから、もっと特殊な能力だと思います。粘土を含む物質が反射する光の性質に特徴があって、その特徴を感知することが出来るのかもしれません。
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11月の羽化 [トンボ]

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水面で羽化のタイミングをうかがっているウスバキトンボの幼虫。写真上方には羽化殻もあります。

水中には寒さに耐えられず死んでしまった幼虫が目立つようになって来ました。寒さで動けず、生きたままモノアラガイに食べられてしまう場合もあるようです。

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羽化殻を見つけたときには取り去るようにしていますので、この羽化殻は11月に入ってから羽化したものに違いありません。昨年は10月末までしか確認できませんでした。

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この幼虫は今晩羽化するかもしれません。ただ、無事に羽化できたとしてもその先がないのがウスバキトンボの宿命で、ちょっとかわいそうです。




※追記
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翌朝、2頭が羽化していました。1頭は羽化中に水面に落ち、もう1頭(↑)は羽化が朝までかかってしまい、この後、早起きのハクセキレイに食べられてしまいました・・・。この時期の羽化は無理なんですね。

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